【パティスリー ルリジューズ 季節のルリジューズ & 季節のモンブラン 他】
パリの日常と穏やかな息遣いがたゆたう、パティスリー ルリジューズ
世田谷線が走る街の一角にあるパティスリー ルリジューズさんは、2012年4月19日にOpenしたお店。お客様の多くは既に常連の方々、そして看板犬であるブブちゃんとも既に顔見知り……という、新しいお店なのに不思議と馴染んだ風合いが心地良いお店です。森シェフがパリでのパティシエ生活約20年の後に、奥様と二人で作ったこのお店、シェフの五感に染み込み息づいたパリの日常風景やフランス菓子の味、その土地に根付き生活をしていた人だからこそ作り出せる、シンプルでいて純然なフランス菓子が並んでいます。
「お菓子を作る時に大事なことって<技術><設備><材料>の3つだと思うんです。パティシエとして丁寧に作り続けることは勿論だとしても、見た目に華美なモノを求めるより美味しさを追求したい。そうするとやっぱり<材料>だと思うんですよね。だからこそできる限りいい材料を使おう…と思っているんです。」とお話してくださった森シェフ。
控えめに「素朴なお菓子ですよ」とマダムのルリさんが仰っていましたが、それは基礎がしっかしているからこそ、そぎ落として尚美味しいということの現れなんだなぁ~と、頂いてみて良く解りました。
店名に冠したお菓子・ルリジューズは、艶感のあるフォンダンをまとった様子がぐっと心を鷲掴みにする愛らしい逸品。軽やかなシュー皮の味わいと、季節で変わるフレーバーの組み合わせが斬新かつ美味です。
取材に伺った時は商品入れ替わりの時期で、幸運にも2種類のルリジューズを体験できたのですが、8月のフレーバーのパイナップルは酸味の効いたクリームが爽やかな印象。9月のフレーバーであるブドウは鼻腔をくすぐる芳香なブドウの香りが、実りの秋の到来を知らせてくれるてとてもエレガントな味わいです。
ルリジューズはフランスの伝統的菓子ですが、日本ではまだまだ見かける機会の少ないお品というところも嬉しいポイントではないでしょうか。
モンブランと言えば秋冬の定番と思われがちですが、季節に応じてプレゼンテーションが変わるのもルリジューズさんならでは。濃厚なフランス栗をベースにフロマージュブロンのムースで軽やかな味わいにしたタイプと、和栗に合わせて白あん・あずき・きなこをアクセントにあしらった「夏のモンブラン」2種。スポンジが入っていないので最後までぺろりと頂けるのが嬉しいです。(どうやら、モンブランにフロマージュブロンの組み合わせ、フランスでは定番なんだそうですが、わたしは初めて頂きました……)
秋口のモンブランとして提供されるのは「枝豆のモンブラン」。パリ郊外の街・アルパジョンで毎年9月に行われる「豆の収穫祭」に合わせて提供されるメニューで、日本国内では空豆が時期はずれで品薄だったため、枝豆にアレンジをなさったそう。ピラミッド型の形状とグリーンが目にも鮮やかです。
幾つかのメニューを近所に住む妹家族と共に楽しんだのですが、子供たちが美味しそうに食べる様子が印象的でした。
実は姪っ子は、なんと私よりも先に看板犬のブブちゃんとお友達になっていたことも発覚(笑)。こんなふうに近隣の子供たちにとっても、ワンダーランド的お菓子やさんとして、街にしっくりと馴染んでいるところも素敵です。
写真左:ルリジューズ。季節によって変わりますが、この9月のお品は初秋を思わせるブドウのルリジューズが提供されます
写真中央:枝豆のモンブラン。枝豆由来のグリーンと、冠になっている和洋の栗のコントラストが美しい一品
写真右:こちらは夏のお品なので、秋に向けて順次なくなってしまうかもしれませんが、りんごのシードル&カシスソーダのジュレ。残暑厳しい日の癒しの一品でした!
写真左:店舗外観。鮮やかだけど落ち着きのある赤が目を惹きます
写真右:看板犬のブブちゃん。接客もお上手な
Published: summer 2012
- 商品名:パティスリー ルリジューズ 季節のルリジューズ & 季節のモンブラン 他
- 値段:ルリジューズ ¥380~ / モンブラン ¥450~
- フレーバー:季節によって変わります
- Pâtisserie Religieuses | パティスリー ルリジューズ
- 〒154-0017
東京都世田谷区世田谷4-16-7 - 03-5799-4466
- 10:00~20:00
- http://on.fb.me/NKVTiP



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