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子供たちの味覚を育み、食事の大切さを学ぶ~「味覚の一週間」

子供たちの食の乱れが深刻化し問題となっていたフランスで、1990年にジャン=リュック・プティルノー氏が、呼びかけに賛同したシェフ達と開催した「味覚の一日」から始まり、20年間で大きなうねりとなり、今では8割のフランス人が認知する国民的イベントに成長した味覚の一週間という活動。

その活動に共感・賛同した食のプロフェッショナル達が集い、日本でも発足する運びに。10月24日、その記者発表に行って参りました。

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「味覚の一週間」発起人の皆様と、参加シェフの皆様。なんと豪華な顔ぶれ!

フランスにおける食に関する問題意識は、日本の「食育」との大きな共通点が
OECDの先進各国の肥満調査などによると、昨今、肥満が健康を害する大きな問題になっていることが浮き彫りに。ファストフードなどの安価で簡単に食べられる食事の蔓延が、肥満問題に大きな影響を与えている可能性が否めません。
先進各国の中でも肥満度の低い国、日本とフランス。
伝統食にその秘訣を見出し、正しい味覚を教えてゆくことが、食文化の更なる醸成と、食にまつわる産業の発展や健やかな生活につながる。確固たる信念を持って20年の活動が続いているフランスの味覚の一週間
一方日本でも「食育」という概念を提唱し、平成17年には「食育基本法案」が立法され、子供たちの健全な未来を育成すべく、国をあげて活動を推進しています。
志を同じくする2つのムーブメントがシナジーをもってより大きなムーブメントになって欲しいという願いを込めて2011年日本で発足したのが日本版「味覚の一週間」の活動なのだそうです。

 

味覚の一週間で実施される3つの柱
味覚の一週間では2011年10月24日からの一週間で様々なワークショップを実施予定。
正しい味覚の大切さを子供たちに教えるワークショップ味覚の教室。こちらはシェフたちが学校に出向き、味の基本や5つの味覚を教えます。フランスからゲストシェフが訪れてくださる学校もあります。
味覚の食卓はこの活動に賛同したシェフが、ご自身の店舗でコンセプトにそったメニューを提供し、味覚の楽しさを知ってもらう取り組み。今回のコンセプトは「しょっぱい、すっぱい、にがい、あまい」という味覚の基本に加え、日本独自の「うまみ」をテーマにプラスしたもの。
味覚のアトリエは食にまつわる様々なワークショップを味覚という視点で切り取りながら、実験的にやっていくクラス。
どの活動もとても面白そうですが、残念ながら大人は学校での授業には入れませんので、ご興味のある方はぜひ、ウェブサイトから確認してみてください。

 

日本とフランスの活動面での違い
フランスでは20年続くこの活動。最初のうちはそんなに大きな活動ではなかったそうですが、テレビに取り上げられたことをきっかけに普及が促進し、協力企業・賛同してくれるシェフがどんどん増え、今では500人のシェフの協力を頂いているとのこと。
国民的な行事の一つになって、フランス政府からの後押しはあるものの、予算などのやりくりは、それぞれの団体・企業・シェフなどの協力でなりたっているのだそう。
現在日本は「食育」という分野で農水省と文科省の後押しがあり、国が教育として推進してゆく流れがありますし、今後もその流れは推進されてゆくと思います。
まだ始まったばかりですから、日本での参加シェフ数はまだまだフランスには及びません。活動の環はまだまだ広がる伸びシロがあるということにも言い換えられると思いますので、食関係に従事をなさる方々も、子供を持つ世代の方々にも、この活動の有意が広く伝わると良いな~と願っています。

 

今回の記事は少々硬くなりましたが、何しろワークショップの数々は面白そうなものばかり!皆さん、ご興味のあるものにぜひ参加してみてくださいね!私は味覚のアトリエで開催される幾つかのワークショップが気になっています。

 

TEXT By n.okumura
Published: October 25, 2011