こんなイベントに潜入しちゃいました!

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冬のお菓子シェアの会 @ 三宿 du Barry

2012年が始まって、そろそろお正月気分も抜けてきたかな?という頃の某日、ボナクイユでもご活躍を頂いております @345setagaya さん主催で、冬のお菓子のシェア会が開催されました。

『冬のお菓子のシェア会とは?』と思われる方も多いかもしれません。ヨーロッパには長い冬を少しでも楽しく過ごすために、様々なお菓子が存在しますが、ここで申します<冬のお菓子>とは、1月という時節柄、エピファニー(公現祭:人としてこの世に現れたイエス・キリストが神性を人々の前で表したことを記念するキリスト教の祭日)を祝って食べる「ガレット・デ・ロワ」のこと。

昨今、多くのブーランジュリー,パティスリーさんから魅力的なガレット・デ・ロワが発売されていますが、短い期間しか発売されないこともあり、1シーズンに食べられるのは1個か多くて2個というのが現実……。かと言ってこじんまりしたサイズでは、ガレット・デ・ロワの本領発揮とは言えず……。(焼き菓子やパンなど、大きいサイズで焼くほうが美味しいものってあるんですよ。)
だったらみんなで集まってシェアしながら美味しく食べ比べましょう!という、素敵な企画なのです。

そしてこの素敵な企画にご賛同くださったのは、日本で今もっとも注目をされる気鋭の6店。
この6店の職人技の光る合計7台のガレット・デ・ロワが一堂に会する奇跡に居合わせられた幸せを、まずはお写真で振り返ってみたいと思います。

まずはこの壮観で麗しい様子のガレット・デ・ロワの集合写真を。一番小さいものでも直径25cmほどあります。
こうやって写真に収まると、まるで小さなテーブルに載せているかのように目が錯覚を起こしてしまいそう!(この丸テーブルの直径は約1mあるんですよ。テーブルに乗り切らなかった3台は、お店のカウンターに。)

※画像をクリックすると拡大表示できます。是非麗しいガレット達を御覧ください。

この壮観な様子……!残りの3つはテーブルに載り切らなかった為個別の写真をご覧下さいね。

それではそれぞれ個別にご紹介を……。
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奥沢にある焼き菓子の名店。都内名店で修行の後、渡欧。ルクセンブルグ「オーバーワイス」などで勤務した後、「ザ・ジョージアンクラブ」でのシェフパティシエを経て、オープンしたこちらのお店の焼き菓子は、日中の早い時間に売り切れてしまうこともあるほど人気のお店のガレット・デ・ロワ。焼き目の色味とクープのコントラストが美しい太陽模様をベースに、縁取りの部分にCuissonらしさが表れた逸品。(私が感動したのは、この横面からみた時の美しい層の様子!)
LA VIEILLE FRANCE(ラ・ヴィエイユ・フランス)
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フランスの老舗LA VIEILLE FRANCEで、日本人初のシェフ・パティシエを務めた木村シェフ。なんとこちらの直径35cmほど。木村シェフもかつて焼いたことがないサイズに今回チャレンジをしてくださったとか。シェフも今回の企画趣旨を楽しんで、かつ丹精込めて作ってくださったことが、見た目からも伺えます。一番のポイントはこのクレームダマンド。使われているアーモンドプードルは、なんと自家挽き!その分お値段もするのですが、フレッシュな杏仁香とねっちりほっくりとしたクレームの美味しさは唯一無二でした。
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今回の逸品の中では一番濃い色の焼き目でしかも一番つやっと感が際立つ表面。クープが均一に入っていて、まるで機械で描いたのでは?と思うほど精巧な曲線。縁取りの部分がクラシカルな様子で、まるでそのままレリーフとして飾れてしまうのでは?という美しさ。ナイフを入れた時に出てくる内側のグリーンと赤のコントラストにもご注目。なんとピスターシュ(ピスタチオ)とフランボワーズという取り合わせなのです。豆を感じるほっくりとしたクレームに、キュンと効いたフランボワーズが絶妙!今回のためだけに、菅又シェフが特別にご用意くださったものだそうです。
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2011年にボナクイユのインタビューにもご登場頂いた、Patisserie et Cafe “Plaisir”の捧シェフ作。繊細なナイフさばきから生み出される月桂樹模様の曲線的なクープが、とてもエレガント。中にはなんと栗が入っており、変わり種でありながらも、伝統菓子への深い造詣があるからこそ生み出される、滋味深い美味しさが。やわらかな栗の味わいに合わせた淡い焼き色の生地はもっとも繊細でした。
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今回、会の当日までシークレットになっていたパティスリーで、2011年11月目黒・碑文谷にオープンした、今後、こちらのパティスリー抜きで東京のスイーツは語れなくなるであろう、そう予感させるクリエイション。こちらのお店からはとびきり大きな、発想力が花開いたかのような独創的な2品を。ひとつは軽い食感のクロワッサン生地になめらかなフランジパーヌ。生地に合わせてクレームもやわらかめ。まるでクロワッサンを頂いているかのような軽やかさのある逸品です。
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もう一点は王道の生地で。クレームは「宇治田」シェフのお名前にちなみ、宇治抹茶と小豆の組み合わせ。和菓子のようなイメージですが、ガリッとするほど食感のある生地に負けない強いクレームは、たしかにガレット・デ・ロワ!あらゆる意味で、鮮烈な印象を残してくれた2作品です。
patisserie Paris S’eveille(パリ・セヴェイユ)
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そしてフランス菓子の巨星、パリ・セヴェイユ。日本のみならず世界で一番美味しいかもしれないこのガレット・デ・ロワを、こんなサイズで頂けるのは希少な…というか、他では絶対に出来ない体験と言って過言では無いはず。太陽と月桂樹の模様を組み合わせた美しいクープは、佐藤スーシェフによるもの。敢えて中心点をずらして描かれており、パリ・セヴェイユの優美な世界観がそこに投影されている瀟洒な見た目。しっとりとしたクレームダマンドと生地の一体感は、試行錯誤を続けられる金子シェフの、王道なようでいて新しい味。この作品たちの見目麗しき様子は、感動というほか表現する術がないほどです。嗚呼!なんて幸せなんでしょう!
会場「du Barry」さんの、美味なるランチ
そして我々参加者は、実はこちらの燦然と黄金に輝くガレット・デ・ロワを頂く前に、驚くことにきっちりランチをコースで頂戴しているのです。(笑)今回「冬のお菓子シェア会の会場となった三宿のワインレストラン「du Barry」さん。『ゆったりとした空間の中で寛ぎながらお食事を』をコンセプトにした池尻界隈でも大変人気のあるお店。
そこで時間を過ごせばいつの間にか心が解きほぐれてゆくような雰囲気は、ほっこりと美味しいお食事は勿論、空間作りやスタッフの方々の温かさがあってこそ。大きな窓から降り注ぐ陽の光と開放感が本当に気持ちの良い空間で、今度是非ディナーで伺いたいと思いました。
冬のお菓子シェア会の会場に、du Barryさんをセレクトなさったことにも主催の @345setagaya さんの心遣いとセンスを感じます。簡単ではありますが、当日のランチメニューをご紹介しますね!
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dubarry_009 まず供されたのは、自家製のパン。全粒粉のパンで焼きたての香りがとっても良いのが印象的なほか、外側のパリッと感と内側のもちっと感がとても素晴らしく、お食事の事を忘れてうっかり食べ過ぎてしまいそう。
dubarry_003 次に出てきたのは魚介のテリーヌ サフラン風味。サフラン由来の鮮やかな黄色が、器との相性も美しく彩っています。
dubarry_004 次に頂いたのはカブのポタージュ。優しい薄味の味付けでありながら、ぎゅっと凝縮感のある味が胃に優しく沁み込んでゆきます。
dubarry_005 メインはこのあとにガレット・デ・ロワが控えているにもかかわらず、お魚とお肉の2皿。ただしボリューム感やリッチ過ぎない味付けのためぺろりと頂いてしまいました。お魚は鯛のフリットにリゾットを添えて。フリットの衣にはトルコの食材・カダイフを使い、重たさを感じさせない気遣いが…。からりと揚がったカダイフの軽い食感がアクセントになり全体をまとめ上げ、菜の花の苦味が春らしさとサッパリ感を醸しだしていました。
最後はどどーんとお肉を!ストーブで焼き上げた牛ランプ肉を、まずお見せ頂いてからカットして提供してくだるというプレゼンテーションスタイルで、皆の歓声が湧き上がりました!西洋わさびのソースで頂いたランプ肉は、さっぱりとしていて柔らかく大変美味。
田園調布のグロサリーショップ「Say Cheese!」さんからのプレゼント
saycheese_gift そしてこの会にボナクイユでお品とお店のご紹介をさせていただいている、田園調布のグロサリーショップ「Say Cheese!」さんから、お土産のお品をご提供頂きました。ご提供いただいたのは左写真の「479°オーガニック・ポップコーン」「34° クリスプブレッド」と「SumerSaultクッキー」の3種という豪華なラインナップ。「Say Cheese!」さんのこと、ボナクイユのサイトのことをご説明しながら、ご参加の皆さまとお話できたことは、私にとっても大変嬉しいことでした。
中にはすでにボナクイユの存在を知ってくださっている方もいらして、応援のお言葉を頂いたり。素敵なガレット・デ・ロワを頂けただけでも本当に嬉しいことなのに、思わぬギフトを頂いた一日になりました!
おまけフォト
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持ち込みのワインと、それを撮影する @bonrouge 氏を撮影してみました。手前の赤ワインはドミニク・ローランのPOMMARD(ポマール)。元パティシエで、いまはブルゴーニュワインの醸造家に転身したという稀有な経歴の造り手として有名なネゴシアン。このガレット・デ・ロワの会に合わせるなら…と、主催の @345setagaya さんからリクエストに応じて @bonrouge 氏がお持ち下さったもの。果実味とボディのバランスが素晴らしい一本でした!ありがとうございます。

feve

こちらがガレット・デ・ロワから出てきたフェーブたち。どれも可愛い!そしてフェーブを手にした皆さまの2012年の幸運をおすそ分けいただいた気分です。

  • du Barry
  • 〒154-0001 東京都世田谷区池尻2-37-7 スカイビュー246 1F
  • 03-6450-8177
  • 11:30~14:00(L.O) 18:00~22:00(L.O) ランチ営業、日曜営業
  • http://www.smile-dubarry.com/
TEXT By n.okumura
Special Thanks to @345setagaya (proof reader)
Published: January 22, 2012