こんなイベントに潜入しちゃいました!

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「松田美智子さん 愛用の台所道具展」&トークショー・体感イベント @ ラ・クッチーナ・フェリーチェAOYAMA 青山本店
キッチンで行うあらゆる作業を快適にし、キッチンから始まるすべてのことを豊かにするというコンセプトでオープンしたキッチン用品&グロサリーの名店「ラ・クッチーナ・フェリーチェAOYAMA 青山本店」さん。コンセプト通りいつも楽しくて機能的で、そして新鮮な提案に溢れている素敵なお店です。2012年に開店5周年を迎え、3月は約1ヶ月にわたって様々な展示・イベントが開催されています。
先日3月10日土曜日に、料理研究家/料理教室(恵比寿)主宰/大学講師など様々な分野でご活躍の松田美智子先生をお迎えしてのトークショー&お道具の体験イベントに参加して参りました。松田先生はお料理道具の造詣も深く、様々な商品の企画開発にも参画しておられる”キッチン賢者“とも言うべきお方。春になり物欲の高まりをふつふつと感じていたので、参考になるお話が沢山聞けそうだわ!という気持ちで出かけたイベント、期待を更に上回る素敵なTIPS満載でした!
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ラ・クッチーナ・フェリーチェAOYAMA 青山店について
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ボナクイユをご覧頂いている方は、ラ・クッチーナ・フェリーチェAOYAMAさんに伺ったことのある方が多いのでは?と思いますが、まだ伺ったことのない方のためにご説明を少し。青山店本店に伺ってまず驚かされるのは、採光性の高い大きなガラスの窓が囲む、広くゆとりのある空間。入り口付近には一際大きな展示スペースがあり、季節やその時折のテーマ・コンセプトに応じた展示が行われている他、奥には図書館の書棚をイメージしたライブラリー什器が並び、ゆっくりと回遊しながらツールを探す楽しみに溢れています。歩み進めるとレジ横にはアイランド式キッチンが造り付けられており、お料理実演等のインストア・イベントが開催できるスペースが確保されているんですよ。

実際にキッチン道具に触れ、使いやすさを実感して納得のお買い物が出来るという点がとても嬉しいですよね。お店のスタッフさんもキッチン道具愛に溢れた方々ばかりなので、相談すると親身にアドバイスくださるのも人気の理由なのではないかと。
そして何よりオシャレな空間なのにとんがりすぎておらず、ふんわりした優しい空気が漂う居心地が良さが一番オススメのポイントです。……と言って、伺う度、随分長い時間居座る私……笑
松田美智子さんのトークショーと体感イベントでご紹介頂いた、すばらしいお道具たち

まずウェルカム・ドリンクとして振舞ってくださった「羅臼こんぶ茶100」。イベントに間に合うよう空輸で北海道から取り寄せたという、ラ・クッチーナ・フェリーチェAOYAMA・広報ご担当の麻生川さんご推薦のお品。頂いてみると滋味深い「旨み」がじわじわと。早速本日のお買い上げアイテムを発見です。笑 (実はこちらの文章も、この昆布茶をいただきながら書いています。)

そしていよいよ松田先生のトークショーが始まります。
淀みなくキレイな言葉でお話を始められた松田先生、ツールのご紹介をするにあたり、震災のお話に少し触れ「備えあれば憂いなし」と、まずiwataniのカセットこんろ「アモルフォ プレミアム」 をご紹介くださいました。このカセットこんろ、見た目にもシンプルで美しいお品なのですが機能的にも優れているそうで、従来タイプに比べ火が垂直に上がるため、熱伝導の観点からも料理のし易さ(鍋肌を超えて火がはみ出さないので、扱い易い等)の観点からも、1台あると便利だと思います、と仰られていました。私はこの初めの一言を伺った時に、道具1つとっても多角的に考えて必要と思うものを選ぼう……という思想を感じました。
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8900050003 ●自在道具「ななかまど小鍋揃え」
小さくて丈夫な、一人分のお食事に最適サイズの土鍋。取っ手の付いたフライパンタイプと通常の土鍋タイプの2種に共用の鍋蓋が付いたものが一揃。直火にかけるのは勿論、そのままオーブンに入れることも可能なサイズと丈夫さを兼ね備えています。蓋をすれば保存容器としてそのまま冷蔵庫にも。鉄の鍋やステンレス素材の物だと食事の風味変化が出てしまうけれど、土鍋だとその心配がないのも嬉しいポイントですよね。
シンプルなデザインですから和洋中のどのお食事にもマッチ。朝食で目玉焼きとソーセージ、夜はデミグラスソースのハンバーグなどなど、アイデア次第で大活躍。そのままテーブルに出せるサイズ・デザインなので、洗い物も少なくなるメリットも。重ねておいた時にもかさばらないように設計されているため、家族の人数分揃えておくと大変便利な一品。
lcf_event_002 ●クイジナート「粉末ミルグラインダー」(先生のお手元のお品)
挽きたての美味しさを自宅で気軽に味わえるお道具。この日のイベントでは、ななかまど小鍋のフライパンで黒豆を炒って、ミルで荒く粉末にしたものを実食させて頂きましたが、食感の楽しさと何より香りが楽しめて素晴らしかったです。松田先生ご自身もきなこはあまり好きじゃなかったけど、こちらのミルで試してみてお好きになったとか。
もう一つ松田先生がご紹介くださったのは、「昆布バター」というメニュー。レシピは至極簡単で、調理用の羅臼昆布をパリパリと割入れてミルで粉末にしたものを、発酵バターと混ぜ込んだだけ。なのにこれが恐ろしく美味しい!コーヒーミルと違いこちらの粉末ミルグラインダーならグラインダー部分を洗浄して使えるため、他の食材をバシバシ粉末にできる。もし気になる場合は、グラインダーの部分のみスペアとして購入可能というポイントも優秀!
トースター ラッセル・ホブズ「トースター」
松田先生が様々試した上で一番美味しく焼きあがるトースターはこれ!と選んだラッセル・ホブズはイギリスの代表的な家電ブランドの老舗的存在。その品質のみならず、デザインの美しさにも目を見張るものがあります。こちらのトースターで焼いたパンに、既出のミルで作った「昆布バター」をつけて頂いたのですが、パンの甘みを引き立てて美味でした。外側はカリッとしていても、内側に水分が残りもっちりとした食感に仕上がったことで生まれる風味の素晴らしさを体感。
自在道具キッチンツール自由自在「シリコンポイントスプーン」
こちらも松田先生考案のキッチンツール。従来のスパチュラは、先がナイフのように片方が薄く尖っていますが、日常の調理においてはここが傷みやすく使いにくいポイントになることも。(製菓のみだとこの形状でも問題ないのかもですね)強度の高いシリコンポイントスプーンの先をフラットにすることで、ボウルや鍋肌に沿わせやすく、かき混ぜる・すくう・すくい取る・盛り付けと、利用シーンが広がるツールとして生まれ変わっています。
●ロベルト・ヘアダー「オールドジャーマン(食卓用万能ナイフ)」
ドイツ・ゾーリンゲン地方の老舗メーカー。120年の歴史の中でもNo.1人気アイテムの食卓用万能ナイフ。刃先でペーストやバターを塗ったり、比較的柔らかいものなら切り分けナイフとしても使えます。刃先が鋭くないのでお子様ナイフとしてもオススメ。オリーブの木でできた取手のナチュラルな木の質感がとてもオシャレで、テーブル・スタイリングに花を添えるツールの一つ。
●貝印「ピーラー」
ステンレス性のピーラーなので、食材の変色が少なく便利。刃の部分が稼動して凸凹した食材の表面をキャッチするため、1ストロークで剥ける範囲がとても広く、調理の時短アイテムとしても重宝。ピーラーの刃先を変えて千切りを作れるタイプもあります。
lcf_event_003 ●菊一文字「包丁」と自在道具「いちょうのまな板」(左の写真は小さいタイプのまな板)
包丁は刀鍛冶の老舗・菊一文字の16cm小さめのタイプ。多くの食材は小さな包丁で事足りますからね、と先生。持ち手は小指部分のひっかかりのある、プラスティック素材のものを選ぶと、魚などの臭みがつかず便利とのこと。
まな板もしかり、大きすぎるものは使いづらい場合が。例えば香味野菜を切って鍋に入れる瞬間や、洗うときなどは小さいほうが勝手がよい。
最初は鍋敷きにと思っていたまな板の破片で作った小ぶりの板が、調理についても様々便利と気がついてからは、大きなまな板の上に重ねて小さまな板をおいて調理するようになったそうです。イチョウの木を使っているので抗菌性が高く、軽いのも特徴。
lcf_event_004 自在道具「自在鍋」
以前韓国で出会ったおもしろい形のお鍋がヒントの松田先生のお鍋。上向きの特徴的な取手の角度が盛りつける時に逆手で持てるためとても便利。高さのあるお鍋の形状は、コンロ周りへの油のはね飛びが抑えられ、日々の掃除が格段と楽に、という利点も。フライパンの返しが上手くできなくても、スパチュラなどで混ぜれば自然に中央に集まってくる構造で、味を回したり火の通り加減を均一にするためにも機能的。少量の油での揚げ物や、ちょっとした茹でモノならこの鍋一つでOK。鉄製の鍋なので、鉄分摂取という意味でも健康の味方。自在鍋で実演してくださった、れんこんと豚バラの炒めモノもすごく心がほっとするお味に仕上がっていました。
豚バラは少し塩をして簡単な塩豚やパンチェッタのように、旨みを凝縮させておくことで塩分の取り過ぎも控えられますよね。濃い味付けにするのではなく、素材の旨さを引き出す調理法と調味料選びをすれば、お食事はぐんと楽しくなるし美味しくなるんですよと仰る、先生のお言葉に大きく頷きながら聞きいってしました。添えられた山椒も爽やかで小気味良いリズムになっていました。
おまけ:ごま油のお話
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岩井のごま油株式会社の岩井社長
れんこんと豚バラの炒め物使用したごま油は、松田美智子先生ご推薦の岩井の胡麻油株式会社のごま油ラ・クッチーナ・フェリーチェ青山など、ショップで展開している【松田美智子の「お取り寄せ食堂」】でも販売されています。この日のイベントには岩井のごま油株式会社の岩井社長もご参加されており、ごま油のお話をしてくださいました。

日本で使用されるゴマは、その99.9%を輸入に頼っているわけですが、岩井のごま油では職人がこれと見込んだアフリカ産のごまを使用しています。また気温や湿度の変化から焙煎の具合を日々調整しながら製造しています。

ごま油は他の油と違い、加熱処理をしてから油を精製するのですが、実はこの焙煎の過程が大変重要なのです。ごまに含まれるゴマリグナン類が、焙煎の加熱により、セサミンやセサノールに変わり、焙煎前の約3倍の抗酸化成分を持つようになるのですね。ですからきっちっと焙煎が入ったものを頂くほうがカラダへのよい影響が見込めるというわけです。
焙煎後の、油の製造には2つの製造方法がありまして、まずは圧搾法と抽出法があるのですが、ごま油の場合はまず圧搾法で油を取り出します。
ただ圧搾をした後の搾りかすにもまだ油が残っている。大手のメーカーなどはこの搾りかすを使って抽出を行なって商品化しますが、我々のごま油は圧搾法でとったものだけを商品にしているので、雑味がない美味しいごま油になるということなのです。と社長さま。なるほど。美味しいだけじゃなく、カラダに良いものをいただこう!という観点から、松田先生がこちらのお品をオススメするのは道理ということですね。

それからまた続きの、お道具のお話……

lcf_event_006 ●「琺瑯の白いツール」
こちらも白い食器が好きな松田先生がプロデュースしたシリーズ。
計量スプーンやドレッシングを混ぜる段階で使うツールは一般的にステンレスが多いのですが、調理の過程でスプーンを入れっぱなしにしていると、微妙に塩気が強くなる等の風味への影響があるのだそう。また調味料の色見を正確に見るなら色も白のほうがわかりやすい、そんな視点で作られたお道具です。ホーロー製なので直火にも掛けられて、食材を簡単に温めたりするために、うつわを変えたりする手間もなく便利。何より見た目が美しいのがうれしいですよね。
lcf_event_007 ●ソーダストリーム(LCFスタッフの方が操作説明中)
テレビでも最近人気のアイテムで、ご存知な方も多いかもしれません。私はこちらのお品気になってはいたのですが、何となく味はどうなんだろうか……という思いが払拭できずにいたので、体験できてホントに良かった!お水をマシンのボトルに入れて装着、プシュンプシュンと数回プッシュするだけで炭酸水が出来上がり。お味ももちろん大変美味しかったです。
炭酸の圧を自分の好みに出来る点も良いですね。炭酸水を良く消費する方でも、ガラスのボトルは重くて買うのが手間……なんて思っている方も多いでしょうから、プレゼントにも最適。松田先生は、ご友人宅で開催されたワインパーティにこちらのお品をお持ちになられたそうですが、大変な人気で、その場にある他の素敵なワインたちが霞んでしまうほど話題を席巻したそうですよ。パーティの後も使えますから、ホストのご家庭にも嬉しいプレゼントですよね!さすがセンスが素晴らしい、松田先生です。
料理とは”ことわりをはかる(理を料る)“こと。調味料はその味方で”あじのしらべをはかる(味の調べを料る)“もの。
松田先生のお話の中でもっとも印象的だったのは、料理とはまさに化学であって、その大きな原則さえ押さえていれば無駄の省けるポイントを上手く見つけられるということ。
松田先生が提唱するレシピは、実際には「ことわり」に則って手順を簡単にしたり、お道具を上手く使ったりという意味であり、時短=手抜き?という言葉から想起する荒っぽさは何一つ存在しておらず、むしろ食材そのものの美味しさを活かすこと、食材を最大限活かす良い調味料を使うことを意味しているのだなぁ~と感じ入りました。
私常々、お料理を上手に作れる方は、なんの仕事をしても上手く行くんじゃないかと思っていたのです。
もっと美味しく食べてもらいたい、自分ももっと気軽に料理を楽しみたいという思いを持てば、日々の作業の中に問題点に気がつくようになる。そのことを真剣に考えると自ずと、こうしたらいいんじゃないかな?という発想が生まれてくる。今までのやり方を少しだけ変えみるチャレンジをすると、結果の変化に気がつく。これって、仕事をすすめる上での必要なエッセンスがギュッと詰まったお話ですよね。
料理とは実は食事を作ることだけではなく、様々なシーンで使える「メイク・センス」の事を示しているということに気がついたというか、やっぱりと確信することができただけでも、今日は大きな収穫でした。松田先生、ラ・クッチーナ・フェリーチェのスタッフの皆さま、本当にありがとうございました!
おまけフォト
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トークショー・体感イベントがあまりに楽しく、思わず買い物スイッチがオンになってしまった私。
本当は紹介されたすべてのお品を持ち帰りたいくらいの気分だったのですが、今おうちにあるキッチン用品のラインナップとのバッティングを避けて、まずはこちらの2品を。
【上のお写真】
コーヒーミルを探していたので、クイジナート社の粉末ミルグラインダーは運命を感じて購入。
自在鍋は、その昔母が「こういうお鍋があったらいいのに…」と言っていたものにかなり近い形とコンセプトだったことが決定打に。私が使ってみて便利だったら、母にもプレゼントしてあげようと思います♪
【下のお写真】
調味料は枯木のゆずは買い足しアイテムですが、ごま油はお初のチャレンジ!楽しみ。昆布茶は早くもリピート決定のお品になりそうです。
  • ラ・クッチーナ・フェリーチェAOYAMA 青山本店 (表参道)
  • 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-46-16   (表参道駅から徒歩7分)
  • 03-3498-3208
  • 11:00~19:00 (水曜定休)
  • http://www.lacucinafelice.com/
TEXT By n.okumura
Published: January 23, 2012